確率変数の平均求め方をマスター!統計学の基礎を楽しもう

確率変数の平均(期待値)の求め方について深く掘り下げてみていきましょう。ここでは、確率変数とは何か、どのようにしてその期待値を計算するのか、またその重要性についても触れます。まず、確率変数と期待値に関する基本的な情報を整理します。

確率変数とは?

確率変数とは、偶然の結果に基づいて数値をとる変数のことです。具体的には、サイコロの出目や、コインの表裏などをモデル化する際に使われます。確率変数は通常、以下の2つに分けられます:

  • 離散確率変数:特定の値しか取らない変数。例:サイコロの出目。
  • 連続確率変数:範囲内の任意の値を取る変数。例:身長や体重などの測定値。

確率変数の平均(期待値)の求め方

確率変数の平均(期待値)は、その変数が取る値を確率で重みづけし、全ての値を足し合わせることで求めます。離散確率変数の場合、期待値 ( E(X) ) は次のように表されます。

[
E(X) = \sum_{i} x_i p_i
]

ここで、( x_i ) は確率変数が取りうる値、( p_i ) は各値の確率です。

例:サイコロの期待値

サイコロの出目(1から6までの整数)を考えましょう。出目の平均を求めると次のようになります:

出目 ( x_i ) 確率 ( p_i )
1 ( \frac{1}{6} )
2 ( \frac{1}{6} )
3 ( \frac{1}{6} )
4 ( \frac{1}{6} )
5 ( \frac{1}{6} )
6 ( \frac{1}{6} )

期待値は次のように計算します。

[
E(X) = 1 \cdot \frac{1}{6} + 2 \cdot \frac{1}{6} + 3 \cdot \frac{1}{6} + 4 \cdot \frac{1}{6} + 5 \cdot \frac{1}{6} + 6 \cdot \frac{1}{6}
]

[
E(X) = \frac{1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6}{6} = \frac{21}{6} = 3.5
]

確率変数の分散

期待値の次に重要なのが分散です。分散は確率変数が期待値からどれだけ離れているかの指標であり、以下のように求めます。

[
Var(X) = E[(X – E(X))^2]
]

この公式を用いることで、データの散らばり具合を知ることができます。

例:サイコロの分散計算

分散を計算するためには、まず各出目から期待値を引いた値の二乗を求め、その合計に確率を掛けることにします。

出目 ( x_i ) 確率 ( p_i ) ( X – E(X) ) ( (X – E(X))^2 )
1 ( \frac{1}{6} ) -2.5 6.25
2 ( \frac{1}{6} ) -1.5 2.25
3 ( \frac{1}{6} ) -0.5 0.25
4 ( \frac{1}{6} ) 0.5 0.25
5 ( \frac{1}{6} ) 1.5 2.25
6 ( \frac{1}{6} ) 2.5 6.25

[
Var(X) = \sum_{i} p_i (X – E(X))^2 = \frac{1}{6}(6.25 + 2.25 + 0.25 + 0.25 + 2.25 + 6.25) = \frac{17.5}{6} \approx 2.9167
]

重要性と応用

確率変数の期待値と分散は、様々な分野での意思決定や予測に役立ちます。特に金融、保険、製造業などではリスク管理やパフォーマンス評価に欠かせない要素です。

確率密度関数と期待値

連続確率変数の場合、期待値は確率密度関数を用いて定義されます。連続確率変数 ( X ) に対して、期待値は次のように表されます。

[
E(X) = \int_{-\infty}^{+\infty} x f(x) dx
]

ここで、( f(x) ) は確率密度関数です。

FAQ

Q1. 確率変数の期待値と平均は同じですか?

はい、確率変数の期待値は一般に「平均」と同じ意味で使用されることが多いですが、期待値は確率を考慮した重み付きの平均であることに注意が必要です。

Q2. どのようにして分散を計算すれば良いですか?

分散は期待値からの偏差の二乗の平均として計算されるため、まず期待値を求め、その後各値から期待値を引き、その結果を二乗して平均を取ります。

Q3. 確率分布はどのように選べば良いですか?

問題に応じて選ぶべき確率分布(正規分布、二項分布、ポアソン分布など)が異なります。各分布の特性を理解し、データに最適な分布を選択することが重要です。

詳しい数学の理論や計算方法が知りたい方は、以下のリンクを参考にしてください:統計WEB