標準偏差は、データの散らばり具合を示す重要な指標です。この指標を求める方法はシンプルで、基本的な統計学を理解することで誰でも計算できるようになります。この記事では、標準偏差の求め方を具体的に解説していきます。
標準偏差とは?
標準偏差(ひょうじゅんへんさ)とは、データのばらつきの度合いを示す統計量です。通常、母集団の標準偏差は記号σ(シグマ)で、標本の標準偏差は記号sで示されます。標準偏差が小さいほどデータは平均値に集中しており、大きいほど散らばっていることを意味します。
標準偏差の公式
標準偏差を求める公式は次の通りです。
-
母集団の標準偏差 σ:
[
σ = \sqrt{\frac{1}{N} \sum_{i=1}^{N}(x_i – \mu)^2}
] -
標本の標準偏差 s:
[
s = \sqrt{\frac{1}{n-1} \sum_{i=1}^{n}(x_i – \bar{x})^2}
]
ここで、
- (N) は母集団のサイズ、
- (n) は標本のサイズ、
- (x_i) は各データ点、
- (\mu) は母集団の平均、
- (\bar{x}) は標本の平均です。
標準偏差の計算手順
- データの集める: 必要なデータを収集します。
-
平均値の計算:
- データの合計をデータ数で割ります。
-
偏差の計算:
- 各データ点から平均値を引き、その値を二乗します。
-
分散の計算:
- 偏差の二乗の平均(母集団の場合はN、標本の場合はn-1で割る)を求めます。
-
標準偏差の計算:
- 分散の平方根を取ります。
例を使った計算
以下は、具体的なデータセットを使った標準偏差の計算例です。
データ点 | 偏差 (データ−平均) | 偏差の二乗 |
---|---|---|
5 | 5 – 10 = -5 | 25 |
8 | 8 – 10 = -2 | 4 |
10 | 10 – 10 = 0 | 0 |
12 | 12 – 10 = 2 | 4 |
15 | 15 – 10 = 5 | 25 |
合計 | 58 |
平均値の計算
[
\text{平均} = \frac{5 + 8 + 10 + 12 + 15}{5} = 10
]
分散の計算
[
\text{分散} = \frac{58}{5 – 1} = \frac{58}{4} = 14.5
]
標準偏差の計算
[
\text{標準偏差} = \sqrt{14.5} \approx 3.81
]
参考動画
標準偏差の大きさの解釈
- 標準偏差が小さい場合: データが平均値周りに集中していることを示します。例えば、テストの点数がほとんどの受験者で均等に分布している場合です。
- 標準偏差が大きい場合: データが広範囲に散らばっていることを示します。この場合、受験者の成績に大きな差があることを意味します。
表でのまとめ
標準偏差の大きさ | 意味 |
---|---|
小さい (0〜1) | データが平均に集中している |
中程度 (1〜3) | データにばらつきがある |
大きい (3以上) | データが大きく散らばっている |
標準偏差を求める際の便利なツール
電卓を使用した標準偏差の計算
今日では、多くの科学計算機やオンライン電卓が標準偏差を直接計算する機能を提供しています。以下はその手順です:
- 使用する電卓を準備します。
- データセットを入力します。
- “標準偏差”ボタンを押すことで計算結果が表示されます。
Excelでの計算
Excelを使用することで、大量のデータに対しても簡単に標準偏差を計算できます。以下の数式を使います:
- 母集団用:
=STDEVP(A1:A5)
- 標本用:
=STDEV(A1:A5)
FAQ
標準偏差は何のために使われるのか?
標準偏差は、データの分散具合を表すため、品質管理、経済データ分析、科学実験など、様々な分野で視覚化と解析に使われます。
標準偏差が1以下とはどういう意味ですか?
標準偏差が1以下の場合、データが平均に非常に集中していることを示します。数値が一定の範囲内にあることが多く、変動が少ないことを意味します。
学校での成績で標準偏差をどう活用する?
学校のテストや成績の分析において、標準偏差を使用することで、平均点とのばらつきを評価し、どの程度の生徒がその科目で優れた成績や劣った成績を収めているかを把握できます。
どのようにして標準偏差を減少させることができるのか?
標準偏差を減少させるためには、データの品質向上や外れ値を取り除くことが重要です。データが集中するような施策を講じることが有効です。
元のデータへのリンク: Sci-pursuitの標準偏差に関する情報